肖像画とは
<About a portrait>

遺影はアトリエ白美へ 似顔絵もアトリエ白美へ

A portrait, a portrait, a portrait
肖像画も人物画、似顔絵も、人間を主題に描くという点では共通しているものだと思います。しかし、それぞれの本質を洞察してみると、人物画は人間を造作的な切り口から追求し、似顔絵はその人の個性を強調して表現するのに対して、肖像画はその人の内面的な特質も含めて、格調と威厳をもって表現するところに特長があると思います。

The role of a portrait
写真が無かった時代、王様や貴族、そして権力者達が、自分の姿を記録に残したり、象徴的に飾ったりするには絵画しか方法がありませんでしたので、多くの画家達がおびただしい作品を描き、それが後世に伝えられました。普通の人達がモデルの肖像画作品が登場するのは19世紀後半から20世紀の始めになってからで、それも、ごく稀な例でした。肖像画はつい最近まで、ごく限られた人達だけのものであったと言っても差支えないでしょう。そして、その事情は、日本でもほとんど同じであったようです。現在、私達が気軽に利用している写真の役割を肖像画が担い、しかもそれは限られた人達だけの特徴であったようです。現代、それも戦後になると、広く一般に普及していた写真とは別に、格調高く尊厳ある表現が可能な肖像画が、価格的な点も含め誰にでも頼めるようになり、物故者、その中でも多くの戦没者の遺影肖像画の需要が非常に高くなって、以前とは違い肖像画が極めて一般的なものとなり、物故者に限らず、色々な人達が色々な理由でごく手軽にご自分の肖像画を依頼するようになりました。

The work motive of a portrait
肖像画は、どんな動機で制作されるのでしょうか。何と言っても一番高い動機は、ご自分の姿を子々孫々に伝え残すというものです。それは決して家名を残すという大袈裟なものではなく、自分という存在を貫いて、遥かな過去から、遥かな未来へと続く血脈を目に見える形で表し、自己の存在と、家族や血族への愛の証しにしたいという純粋なものであると思います。続いては、人生の様々な節目を迎えた時の記念として、肖像画を作られる例です。そして、叙勲や受賞などの記念や、それらに関連した贈物としてよく活用されます。特に最近は贈物として肖像画が用いられる事例が増加しているように思われます。

The difference between a portrait and a portrait photograph
肖像写真は七五三や入学卒業、そして結婚など、生活に密着した必需品といえるまで、私達にとって身近なものになっており、今後もその事情は変る事はないでしょう。肖像画の果す役割も、肖像写真と全く同じですが、肖像画ならではの特質をいくつか上げてみると、まず第一に堅牢性が非常に高く、その寿命は100年の尺度で計れるという点があります。第二に絵画としての特性上、幅広い修正が可能なので、作品の表情を依頼者の希望通りに制作する事が出来る点。第三に何と云っても絵画作品ならではの格調と内的表現が出来る点があります。第四に、各画法により、同じ人物でも作品の雰囲気が違う点も見逃せないでしょう。例えばコンテ画は荘重で威厳に満ち、鉛筆画はコンテ画よりや〃軽快で生命感に溢れ、油彩画を筆頭とする各種の彩色肖像画は、それらの特色の上に華麗で優美な魅力が加わります。第五に絵画作品としての展示効果という点も、最近では見逃せない特質のひとつになってきました。それは住宅事情の変化と密接に関連しており、壁面の多い現代の家に住む人にとっては、壁を飾る事も大切な生活手段のひとつと云えるでしょう。肖像画は人間を描いた作品なのでインパクトが強いところから、壁面を飾るのに大変相応しい絵画作品のひとつです。

A portrait is familiar.
昔はともかく、現在肖像画は、価格面でも非常に身近で、しかも格調の高さ、堅牢性、装飾効果などでは他の追従を許さない魅力的でハイセンスなモニュメントであり、贈物となりました。かけがえのない一人一人の人生です。あなたの今生きている証しとして、そして、100年後200年後のあなたの子孫達に送るメッセージとして、一点の肖像画はその役目を果たしていくものと信じます。また、既に物故された方を偲び、その永福を心から祈るためにも肖像画の果す役割は大切なものである事は論を待ちません。長くなりましたが、一肖像画描きが、日頃心に思っている事を皆様にご披露致しました。肖像画なんて、自分には縁のないものとお考えの方も、この機会に是非ご検討ください。
(お願い)
ここに記載した文章はアトリエ白美「渡辺肖像画工房」独自のものです。
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